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花粉症とドライアイ

すこし春が近づいてきて、目のかゆみで受診されるかたが増えてきました。

上下のまぶたの裏から白目までつながる透明な膜「結膜」は、血管やリンパ管が多いためとても炎症を起こしやすい組織です。

結膜の中には「肥満細胞」がいつもひそんでいます。

*顕微鏡で見た様子が膨れていることから、肥満細胞と名付けられています。

眼の表面は外界に接しており、常にあらゆる微粒子が入ってきては処理されています。

微粒子が抗原(アレルゲン)となり、アレルギー性結膜炎を引き起こします。

多くのひとにとって、強い目のかゆみから生産性を下げることにもつながってしまいます。

アレルギー性結膜炎のうち、花粉症の範疇に入るのは

季節性アレルギー性結膜炎通年性アレルギー性結膜炎

です。

春になるとスギ花粉を含む多くの微粒子が飛んできて、眼の表面に入ってきます。

*他にはカモガヤ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ等

 

抗原を取り込んだ白血球を介して、肥満細胞が破裂しヒスタミンとよばれる化学物質が排出されます。

ヒスタミンはpruriceptor(かゆみの受容器)を介して、脊髄から脳へかゆみのシグナルをおくります。

アレルギーの炎症は、2つの反応に分類されます。

即時型アレルギー反応(すぐおこる)“季節性アレルギー性結膜炎”(SAC, Seasonal Allergic Conjunctivitis)

抗原が入って5分で、肥満細胞からなみだの中へ出てくるヒスタミンはピークに達し、かゆみなどの症状は30-40分続くことがわかっています。

遅延型アレルギー反応(ずっと続く)“通年性アレルギー性結膜炎”(PAC, Parental Allergic Conjunctivitis)

抗原が入って6時間~72時間:

炎症細胞(好塩基球・好酸球・Tリンパ球・好中球)たちが血管から出てきて結膜の中に集まりはじめ、サイトカイン(生理活性物質)を出し炎症を悪化させます。

「かゆみがある」と来院される患者さんの多くは、どちらの反応も起こっている状態と考えられます。結膜の炎症により、「まぶたが腫れた」状態になっていることもあります。

大昔の眼科診療では、かゆみに対してVasoconといわれる血管収縮剤が使われていた時代もあったようです。

現代では、以下が主な治療方針です。

(1) ヒスタミンが出ないようにする/ヒスタミンが作用しないようにする

アレジオン・パタノール・インタール・リボスチン・リザベン点眼 等

*上記のうち、かゆみの症状が出る前からの点眼薬使用が効果があることも知られています。

(2) 炎症そのものをおさえる(ステロイド)

0.1%フルメトロン・リンデロン点眼 等

*眼圧上昇などの副作用に注意する必要があります。

○ドライアイについて:

ドライアイ(目の表面の涙液の不安定性)の状態下では抗原が濃縮されてしまうため、アレルギー性結膜炎の症状は悪化します。

ドライアイ

アレルギー性結膜炎の悪化している方は、涙液の状態も不安定になっていることが多い印象があります。

点眼をすることにより炎症をおさえることとあわせ、抗原を流す作用も重要と考えます。

症状および結膜・涙液の状態を把握してご説明のうえ、診療をおこなっています。

追記:

アレルギーの原因・誘因について、微量の血液から抗原(アレルゲン)を知ることができるよう準備しました。

ご興味のあるかたはご相談ください。どうぞよろしくお願い致します。

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