OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)

2021.8.29 追記:以下を使用できるようになりました。

» 網膜画像診断の進歩:超広角眼底撮影

開院にあたり、OCTアンギオグラフィー(OCTA; 光干渉断層血管撮影)を導入することができました。
後眼部疾患(網膜疾患・ぶどう膜炎・緑内障等)の研究を行っていた経緯より、昨年秋から長期間の交渉を続けやっと導入に至った眼科医療機器です。
RS-3000 Advance2(ニデック社)

網膜・脈絡膜の病気では、微細な血管の状態を把握することが必要です。

これまでは腕の血管から造影剤を注射して眼底カメラなどで撮影する検査(蛍光眼底造影検査)で、血管の状態を検査していました。
しかし造影剤には嘔吐・蕁麻疹や、ときにショック状態に陥る危険性が常にあります。
この数年で実用化されたOCTAでは、信号変化のある部分(動く部分=血流)と、変化のない部分(組織)の差を取ることにより造影検査に近い網脈絡膜画像を得ることができます。

○ 糖尿病網膜症網膜静脈閉塞症:中心窩無血管野(foveal avascular zone, FAZ)の状態・網膜虚血の状態・血管閉塞の状態・網膜新生血管の有無等
○ 加齢黄斑変性:FAZの状態・脈絡膜新生血管の有無等
○ 緑内障:視神経乳頭内及び周囲の血流の動態等
○ ぶどう膜炎:FAZの状態・炎症に伴う微小血管構造の変化等

視力低下・ものがゆがんでみえる症状 などから上記の疾患がみつかることがあります。
また糖尿病と診断されている方は、自覚症状がなくても網膜症が進行している可能性があります。

OCTAでは造影剤使用のリスク無く、目の奥の細い血管の変化をとらえることが可能です。
数秒で検査を終えることができるため、従来の造影検査予約も不要となりました。
2018.10月現在、大学病院以外で導入されている施設は少ないものと思われます。
これまでの眼科医療を大きく変える時代にいる幸運を思いながら、診療を行っております。

もちろんOCTAは造影と同じではなく、検査の限界はあります。
更に詳細な造影検査が必要と判断された方は、(主に)九州大学病院へご紹介させて頂ければと思います。

院内で行った全ての検査画像は、患者さんの目線の高さに設置したモニターに表示したうえでシンプルにわかりやすく説明および今後の方針の提示を行います。

わかりづらいことは遠慮なくお尋ねください。

どうぞよろしくお願いいたします。

(追記)

ボストンレッドソックスがアメリカのワールドシリーズで優勝したそうです。

留学中に何度かフェンウェイパークへ試合を見に行って、私でも少し思い入れがあり嬉しく思いました。

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