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ものがゆがんでみえる

ものをみる最も大事な部分の“黄斑部”を侵す、中心性漿液性脈絡網膜症のお話です。

30代~50代の男性に多く、“ゆがんでみえる” “急にみづらくなった” 等の症状をきっかけに来院されます。

古くからストレスが誘引になるといわれたり、喫煙・ステロイド内服・また女性では妊娠をきっかけに発症することもあることが知られています。

中心性漿液性脈絡網膜症は、眼底に位置する網膜よりさらに奥側に位置する“脈絡膜”の循環障害・充血が関与し、最近では“pachychoroid(厚い脈絡膜)”という疾患概念の中に入るものとされています。

九大の外来ではインドシアニングリーン造影検査で脈絡膜の状態をみていましたが、当時はイメージが湧きづらいものではありました。

開院にあたり導入した光干渉断層計(RS-3000 advance 2:ニデック社)により、脈絡膜の状態はかなり鮮明に描写されます。画像診断技術の進歩に驚きます。

(1) Central Serous Chorioretinopathy(CSC; 中心性漿液性脈絡網膜症)

脈絡膜循環障害を主因として網膜の中心部(黄斑)下に水がたまる疾患。

禁煙をおこなうことや、内服薬による経過観察のみで治ってしまうことが多いです。

遷延化する場合には、更に高度な検査・加療が必要となる場合があります。

(2) Pachychoroid Pigment Epitheliopathy

CSCに似た病態:水がたまらない(網膜下液がない)。

(3) Pachychoroid Neovasculopathy

(1), (2) の後に生じる可能性がある、長期的な合併症。脈絡膜に新生血管が生じ、将来の視力低下につながる危険がある。

Pachychoroid Diseases of the Macula

Med Hypothesis Discov Innov Ophthalmol. 2014 Winter; 3(4): 111–115.

網膜・脈絡膜血管の状態は、造影剤を使用するリスクなく観察することが可能です。

OCTアンギオグラフィー(光干渉断層血管撮影)

上記疾患に対し、OCTアンギオグラフィーを用いて脈絡膜血管の拡張や脈絡膜毛細血管板の“dark area”を確認することができます。

ぶどう膜炎や色素上皮症などの眼炎症性疾患においても、脈絡膜の厚みの増加をきたすことが知られています。

網膜の病態もあわせ、脈絡膜の状態も想像しながら診療をおこなうことができています。

素晴らしい医療機械の助けを得て、長期間にわたり経過をみていきたいと思います。

たける眼科

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