失明の危険がある消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)

現在アルコール消毒液が足りず、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒をおこなっている方も多いかと思います。

厚生労働省では、
社会福祉施設等に対する「新型コロナウイルス対策 身のまわりを 清潔にしましょう。」
として、次亜塩素酸ナトリウムの使用を推奨しています。

https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf

ハイター(花王)カネヨブリーチ(カネヨ石鹸)ブリーチ(ミツエイ)などの塩素系漂白剤はアルカリ性です。

アルカリ性の液体は「親油性(lipophilic)」で、酸性の液体に比べてかなり早く目を溶かしてしまいます:

細胞膜の脂肪酸をけん化(油脂のアルカリ加水分解)、角膜実質を貫通しプロテオグリカン基質とコラーゲン線維(繊維)を破壊します。破壊された細胞はタンパク質分解酵素を産生し、短時間で眼球の奥まで障害を広げていきます1

「アルカリ眼外傷」は、時に失明に至る程度までのひどい障害を目に残してしまいます。
そのため、眼科医療機関でも非常に恐れる緊急疾患です2

次亜塩素酸の消毒液を使用される際は目に入らないように十分に注意していただき、
目に入った等 万が一の際にはすぐに流水で目を洗い、お近くの眼科を受診されてください。

(参考)

1. Fish, R., Davidson, R.S., 2010. Management of ocular thermal and chemical injuries, including amniotic membrane therapy. Curr Opin Ophthalmol 21, 317–321. https://doi.org/10.1097/ICU.0b013e32833a8da2

2. Baradaran-Rafii, A., Eslani, M., Haq, Z., Shirzadeh, E., Huvard, M.J., Djalilian, A.R., 2017. Current and Upcoming Therapies for Ocular Surface Chemical Injuries. The Ocular Surface 15, 48–64. https://doi.org/10.1016/j.jtos.2016.09.002

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