サイトへ戻る

こどもの近視進行抑制(予防)のサプリメント

スパイスとして広く用いられているサフランの成分「クロセチン」が近視進行抑制(予防)に効果がある お話です。

- 都内小学生の約 80%、都内中学生の約 95%が近視 -

近視の人口は急増し、2050年には47.6億人(世界人口の49.8%)が近視になると試算されています。

強度近視→病的近視に発展してしまうと、

将来の緑内障・網膜疾患(近視性黄斑変性・網膜剥離 等)の発症が懸念されます1

こどものうちの近視進行抑制(予防)が、とても大事です。

成長に伴う眼軸長の伸び(目の奥行きが長くなること)を、抑えます。

この数年のうちでも、著しい学問的な進歩がありました。

こどもの近視進行抑制(予防)について、いま外来でお話しているのは以下の3つです:

(1) 1日に2時間以上の外遊び 

 バイオレットライトを浴びることによる効果もあります2

(2) 低用量アトロピン点眼

こどもの近視・屈折異常

たける眼科 では開院当初より(2), (3)を準備して、いまではたくさんのお子さんが来られるようになりました。

(2), (3)の併用も、効果を得られていくことと考えています。

* 多焦点コンタクトレンズ(EDOF):

小学生に取り扱いは難しく危険と判断したため、おすすめしていません。

昼寝でも危険なため、です。

近視が強いかたのOCT(目の中の断層解析)を撮ると、「脈絡膜」が薄くなっていることがわかります。

光を感知する「網膜」の奥側、眼球を構成する壁「強膜」の内側です。

脈絡膜は体内で最も血管密度が高い場所で、全身の炎症を反映することもあります(=ぶどう膜炎)。

こどもの近視進行抑制(予防)のサプリメント

昨年、慶応大学・大阪大学眼科より、サプリメントの有用性が発表されました。

The Effect of Dietary Supplementation of Crocetin for Myopia Control in Children: A Randomized Clinical Trial.

こどもの近視進行抑制に対するクロセチンの効果3

-1.5D~-4.5Dの近視をもつ6~12歳のこどもたち69人に対しての、研究です。

30名のプラセボ群、39名のクロセチン群:

24週後、クロセチン群で

✔ 眼軸長の伸び

✔ 等価球面度数の変化

✔ 脈絡膜の厚み

以上に有意差があり、近視進行を抑制したことが記載されています。

クロセチン投与に伴う有害事象は報告されていません。

プレスリリース(慶應大学眼科より):

クロセチンが児童の近視進行を抑制 - 増加する近視に対する新たなアプローチ -

https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2019/1/24/190123-1.pdf

サフランはパエリアやサフランライスに用いられるスパイスで、

古くから医薬品としても注目されてきました4

クロセチン(Crocetin)はサフラン・くちなし(Gardenia jasminoides)の実の構成成分で、

肺の酸素供給を増加5させ、

脳血管の酸素供給を改善6させる、研究報告があります。

加齢黄斑変性・緑内障・糖尿病網膜症に対しても、サフランの有用性が記載されています7

細い血管に酸素を供給し血流を改善することは、近視進行抑制(予防)にも重要。

クロセチンのサプリメントを摂取することで、

✔「脈絡膜の血流を増やして厚みを増して、眼軸長を伸ばさないようにする」

ことを期待します。

たける眼科

www.takeru-eye.com

「高取商店街」

福岡市地下鉄 西新駅/藤崎駅

(参考)

1. Holden, B.A., Fricke, T.R., Wilson, D.A., Jong, M., Naidoo, K.S., Sankaridurg, P., Wong, T.Y., Naduvilath, T.J., Resnikoff, S., 2016. Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050. Ophthalmology 123, 1036–1042. https://doi.org/10.1016/j.ophtha.2016.01.006

2. Torii, H., Kurihara, T., Seko, Y., Negishi, K., Ohnuma, K., Inaba, T., Kawashima, M., Jiang, X., Kondo, S., Miyauchi, M., Miwa, Y., Katada, Y., Mori, K., Kato, K., Tsubota, Kinya, Goto, H., Oda, M., Hatori, M., Tsubota, Kazuo, 2017. Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression. EBioMedicine 15, 210–219. https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2016.12.007

3. Mori, K., Torii, H., Fujimoto, S., Jiang, X., Ikeda, S., Yotsukura, E., Koh, S., Kurihara, T., Nishida, K., Tsubota, K., 2019. The Effect of Dietary Supplementation of Crocetin for Myopia Control in Children: A Randomized Clinical Trial. JCM 8, 1179. https://doi.org/10.3390/jcm8081179

Heitmar, R., Brown, J., Kyrou, I., 2019. Saffron (Crocus sativus L.) in Ocular Diseases: A Narrative Review of the Existing Evidence from Clinical Studies. Nutrients 11, 649. https://doi.org/10.3390/nu11030649

4. GIACCIO, M., 2004. Crocetin from Saffron: An Active Component of an Ancient Spice. Critical Reviews in Food Science and Nutrition 44, 155–172. https://doi.org/10.1080/10408690490441433

5. Holloway, G.M., Gainer, J.L., 1988. The carotenoid crocetin enhances pulmonary oxygenation. J. Appl. Physiol. 65, 683–686. https://doi.org/10.1152/jappl.1988.65.2.683

6. Seyde, W.C., McKernan, D.J., Laudeman, T., Gainer, J.L., Longnecker, D.E., 2016. Carotenoid Compound Crocetin Improves Cerebral Oxygenation in Hemorrhaged Rats: Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism. https://doi.org/10.1038/jcbfm.1986.126

7. Heitmar, R., Brown, J., Kyrou, I., 2019. Saffron (Crocus sativus L.) in Ocular Diseases: A Narrative Review of the Existing Evidence from Clinical Studies. Nutrients 11, 649. https://doi.org/10.3390/nu11030649

すべての投稿
×

もう少しで完了します。

あなたのメールアドレスにメールを送信しました。 読者登録の承認のため、届いたメールのリンクをクリックください。

OK